身近な食品産業もここ数年で急激に国際化が進む
食品産業というのは本来的には地産地消を基本とする身近な生活と密着をした産業として発展してきました。
ですが輸出入の割合が増え、手軽に購入できる食品販売店が数多く出店してきたことにより、現在では近くで生産された食品よりもむしろ遠い海外などから仕入れた製品の方が安く数多く購入できるという状態ができあがっています。
国としての自給力などその裏側には大きな問題は潜んでいるものの、当面は私達の食に関する産業の多くは今後も国際化の動きを強めていくことが予想されます。
日本国内には大規模な食品メーカーが複数存在しており、海外に多くの支社を持って製品を販売しています。
逆に日本国内で大きなシェアを持っている海外の食品メーカーもあり、常にシェア争いを世界規模で行っているというのが現状です。
世界的に見た食品メーカーのランキングでは、売上げトップとなっているのがスイスに本社を持つ「ネスレ」で、次いで米国の「ペプシコーラ」「コカ・コーラ」がランキングされています。
日本企業においては世界第16位のキリンホールディングスがトップとなっており、全体的に飲料メーカーの強さが目立っています。
国内では外食産業が苦戦中
食品関連業務は人の生活に必ず必要となる産業であるため、外食産業自体がなくなるということは今後もありません。
しかしそんな誰もが必ず行う食という消費行動だからこそ厳しい競争状態に置かれているという状態もまたあります。
国内にある食品産業の中でも特に厳しい状態に置かれているのは外食関連の企業であり、特に居酒屋系は大手「ワタミ」が不祥事により失速したことで業界全体が不況となったままになっています。
20年ほど前に急激に出店数が増えたいわゆる「総合居酒屋」は現在ではかなり件数を減らしており、ファミレスとの差がほとんどなくなったということもあってなかなか企業としての特色を出すのが難しくなっています。
同じ居酒屋でも好調なのは「海鮮系」「焼き肉系」のような特定のコンセプトを持った運営をしている店で、こだわりのある顧客を集めるというふうに業界全体のトレンドがシフトしてきています。
飲食店の中でも比較的堅調なのは回転寿司チェーンで、業界最大手の「あきんどスシロー」をはじめとし、「カッパ・クリエイトホールディングス」や「元気寿司」などは全国的に数多くの寿司店を出店し続けています。
回転寿司業界では店内サービスが常に刷新され続けており、ここ最近では「回転しない寿司」としてのシステムを導入したチェーンも増加してきています。
急増中の外資系カフェ
飲食店として分類されるお店の中でも最も勢いがあるのはカフェチェーン系です。
現在は国内出店数1000店を超えたスターバックスを始めとし、ドトールやサンマルク、コメダ、タリーズなどは全国どの都市の駅前にもあり好調な売上を見せています。
またチェーン以外でもパンケーキ、チーズケーキなど新規でオープンするカフェも増加しています。
これらは昨今のカフェブームの波もあり、カフェで働きたいという人が増えておりカフェでの調理やビジネスを専門で学べる学校も登場しています。
バリスタ技術からパスタやスイーツ等のカフェメニューの調理、オリジナルのメニュー制作などカフェの運営に必要な知識を学ぶことができます。
若者を中心としたSNSの普及もあり、外食産業の中でもお洒落なイメージのカフェやSNS映えするスイーツなど若者の人気を狙った飲食店は今後も増えていくでしょう。